小さなインパクト part5

僕が女性とラブホテルの部屋にいる。未知の世界に立った感覚に全身が緊張している。ゆっくりと辺りを見回すと真っ白な部屋の中央にある大きなベッドが自然と目に入る。ここで男女が・・・後ろから笑い声が聞こえた。『やっぱり気になっちゃうよね』まるで勝…

小さなインパクト part4

テストモデルをOKした翌日にはハルカさんの方からメッセージが来た。『おはよう!今日も勉強頑張るんだぞ』当たり障りのない挨拶だったので僕の方も「おはようございます、ハルカさんもお仕事頑張って下さい」とだけ返した。僕はあまりにも こういうやり取…

小さなインパクト part3

勇気を出してLINEにメッセージを送った僕は落ち着かずに画面を眺めていた。そう、僕にはメッセージの一つにしても勇気のいる行動なのだ。なにせ女生とLINEするなんて家族以外では初めてなんだから。けど、既読にもならないな。まだ仕事中の様子だったし送る…

小さなインパクト part2

あの夜、汚してしまったパンツをこっそりとシャワーを浴びる時に自分で洗った。不意に母親が入って来たら干してあるパンツを見られてしまうかもしれないから 扇風機で必死に乾かす自分が少し哀れにすら思えた。 きちんと付いていたタグに書かれていた社名を…

小さなインパクト part1

大学に入って2ヵ月になるのに、これと言って大学生らしい事を何もしていない。友達が出来てないので一度も会話すらしていないくらいなのだから。キャンパスライスは自動的にイメージしていた物になると、勝手な期待を抱いていただけで人と話すことも苦手な…

深淵 (完)

~day 3 前夜~ 先生から渡された小箱が気になって仕方なかったけど、言い付け通り前夜まで待った。怖いわけじゃないけど不安がゼロというわけでも無い。 小箱はテープで封がされた上に紐で上品に縛られている。紐は丁寧に解き、テープはカッターで切って開…

続・深淵

~Day2~ 私は朝からソワソワしていた。彼女とは今日、2度目の来院で逢える予定だ。「来週の同じ曜日、同じ時間でお願いします」と言った彼女の言葉を信じていないわけではない。私は彼女と会えない日々を悶々としながら過ごしていた。帰宅してから後悔して…

深淵

今日は特別なお客様が来た。話す姿は静かめで柔らかい雰囲気、人当たりも良さそうな女性だ。見たところ、年齢は30代前半。漂わせる憂いのためだろうか、何か内に秘める魅力のようなモノを感じる。一言で言って とても可愛らしい人だ。そのお客さんとの話で…